実は「研削材」は身の回りの物に使われている!その用途を徹底解説

実は「研削材」は身の回りの物に使われている!その用途を徹底解説

研削材の用途は研削材を吹き付けて加工物の表面をきれいにするサンドブラストをはじめ、研削砥石や研磨布紙、研磨テープなどの材料に活用され、身の回りにあるさまざまなものの切断・研削・研磨に役立っています。今回は、研削材の用途について詳しく解説していきましょう。

研削材の用途とは?

研削材の用途とは?

研削材は、身の回りにあるあらゆる物を作り上げるためには欠かせないものです。どのような場面で研削材は使用されているのでしょうか。「サンドブラスト」「研削砥石」「研磨布紙」「研磨テープ」の4つに分けて、研削材の用途をご紹介します。

サンドブラスト

サンドブラストとは研削材を吹き付けて表面のサビや汚れを落とす加工方法のことで、部品の接着面やメッキする部分に前処理として行われることもあります。

サンドブラストには、「湿式サンドブラスト」「乾式サンドブラスト」の二種類があります。湿式サンドブラストは研削材と水を混ぜ合わせてノズルから噴射して加工を行い、「ウェットブラスト」とも呼ばれます。

一方で、乾式サンドブラストは研削材のみをエアーとともに噴射して加工を行うので、「エアーブラスト」とも呼ばれているものです。一般的にエアーブラストというのはコンプレッサーを使用して高圧のエアーを吹き付ける「高圧エアーブラスト」のことを指し、高圧ブロアーを使用する場合は「ブロアーブラスト」と呼んで区別されます。

湿式サンドブラストは研削材と水を吹き付けるので、静電気が発生しません。また、水を介して部品は研削されるので、表面がなめらかな仕上がりになります。

乾式ブラストは研削材のみをエアーとともに吹き付けるので、加工能力が高いのが特徴です。しかし、静電気の影響を受けやすく部品の素材によっては研削しにくくなります。

研削砥石

研削砥石は、研削材と結合剤、補強材を混ぜ合わせて作られます。研削材が加工物の切断や研件削に重要な刃の役割を果たし、結合剤が研削材を保持します。研削砥石を拡大して見てみると研削材や結合剤の間に気孔があることが分かりますが、この気孔は研削時に発生する熱を発散させ、切り屑を取り除くための隙間としても役立っているのです。この研削砥石を動力によって高速回転させることで、加工物に対して切断・研削・研磨の3つを行えるのです。

研削砥石に使用されている研削材によって切断することに特化していたり、研削しながら研磨ができたり、曲面でもきれいに研磨できるなどの特徴があります。

刃物の場合は、摩耗すると切れ味が落ちたり削れなくなったりしてしまいます。しかし、研削砥石は非常に硬度の高い研削材が使用されているだけでなく、一部の研削材が欠けてもその下にある研削材が新たに研削の役割を引き継ぐので、長く使用し続けることが可能です。

他にもある研磨材の用途

他にもある研磨剤の用途

このほかにも、研磨材は私たちの身近でさまざまな用途で使われています。他の事例についても、ご紹介していきましょう。

研磨布紙

研磨布紙とは、布や紙に研削材が接着してあるもののことです。紙が使用されたシート状の研磨布紙のことをサンドペーパー、もしくは紙やすりと呼ばれています。小学生の頃の図画工作の時間に使用したことがある方は多いのではないでしょうか。

研磨布紙には、基材となる布や紙の上に研削材を保持するための下引き接着剤の層があります。表面には研削材がこぼれ落ちにくくすると同時に、細かい部分の研磨にも使いやすいように柔軟性を高めるための上引き接着剤の層が作られているのです。

研磨布紙は研削砥石よりもなめらかな仕上がりにできますが、使用しているとしだいに摩耗していきます。摩耗したまま使用し続けても加工効率が低下するため、消耗品として定期的に交換しなくてはなりません。また、樹脂を多く含む木材や軟らかい金属の研磨に使用すると、表面が覆われて目詰まりを引き起こします。目詰まりを起こさないようにするには、加工する素材に合わせた研磨布紙を選択することや潤滑剤を塗布して使用するなどの対策が欠かせません。

研磨テープ

研磨テープとはフィルム状のシートの表面に微粒子の研削材、ポリエステルとウレタン樹脂を加えたものをきわめて薄い膜状に塗布したものです。研削砥石よりもなめらかに仕上げられる研磨布紙よりさらに研磨テープは研磨力が高いので、ハードディスクの表面や光ファイバーの端面、プラズマディスプレイの角など精密部品の研磨に使用されています。

研磨テープは薄くて柔らかいフィルム状のシートが基材となっているので、曲面の研磨にも使用しやすく高い加工能力が期待できるのが特徴です。使用されている研磨材の微粒子の大きさに応じて、研磨精度は変わります。

まとめ

まとめ

研削材はさまざまな用途で使用されています。「サンドラスト」といって研削材を吹き付けて加工物の表面をきれいにするほか、研削材と結合剤、補強材を混ぜ合わせて作られた「研削砥石」は動力によって高速回転させると、加工物に対して切断・研削・研磨の3つを行えます。

基材となる布や紙の上に接着剤を用いて研削材を保持させた「研磨布紙」は、研削砥石よりもなめらかな仕上がりを可能にし、「研磨テープ」は研磨布紙よりも研磨精度が高く、薄くて柔らかいフィルム状のシートに研削材が塗布されているので、曲面にも使いやすくなっています。

「株式会社ドイ」では、昭和35年の創業当初から各種研削材を取り扱ってきました。長年培ってきた経験を活かして、お客様のお役に立てるように努めてまいります。研削材に関することなら何でもお問い合わせください。