ブラストとは?何のための加工?メリットとデメリットを徹底解説

ブラストとは?何のための加工?メリットとデメリットを徹底解説

ブラストとは金属の表面に研磨材を吹き付けて加工する技術のことをいいます。ブラストは何のために行うのか、メリットとデメリットはどのようなものなのか、この記事で詳しく解説します。また、身の回りにあるブラストを活用した製品についてもご紹介します。

ブラストは何のために行うのか?

ブラストは何のために行うのか?

ブラストとは、表面を加工処理する時に行われる技法のひとつです。ブラストを行う装置には「エアーブラスト」「ショットブラスト」があり、研磨材を加工したいスチールやアルミ、ブロンズ、チタンといった金属に高速で吹き付けて加工処理を行います。

ブラストは何のために行うのでしょうか。ブラストは、主に「クリーニングのため」「メッキ前処理のため」「塗装前処理のため」の3つの用途に使用されています。

クリーニングのため

ブラストは機械によって研磨材を吹き付けて研削・研磨するので、加工する前と加工した後では金属の表面は大きく変わります。そのため、見た目を美しくする以外にも、表面に付いている不純物を取り除くクリーニングのためにさまざまな加工の下処理として行われます。

メッキ前処理のため

メッキ加工をする際には、表面がきれいな状態でないと均一にメッキできません。ブラストをすると金属の表面のサビや汚れをきれいに落とせるので、メッキ前の下準備として必ずブラストを行うのです。

塗装前処理のため

塗装前にもメッキと同様に、表面のサビや汚れを落とさなければなりません。そうしないと、塗装にムラができたりはがれやすくなったりしてしまうからです。塗装前にブラストを行うことで金属の表面に細かな凹凸を作り、塗料の接着力を高めて塗装のクオリティを上げられるのです。

ブラストを行うメリット・デメリットとは?

ブラストを行うメリット・デメリットとは?

さまざまな場面で活用されているブラストですが、ブラストを行うことによってどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

メリット

研磨材を吹き付けて加工するブラストは、細かい部品や奥まった場所にある部品の加工も行えます。機械が入り込めない部分も自由自在に加工できることは最大のメリットです。

ブラストにおいては、加工物の表面に刀鍛冶が何度も何度も鋼を打ち付けて鍛え上げたような効果を得ることが期待できます。なぜなら、とても細かい研磨材を目で追えないくらいの速さで次から次へと加工物に吹き付けるので、表面がきれいになると同時に硬化されるからです。

表面が硬化されると摩耗しにくい、腐食しにくい、割れにくいというように部品の機能性を高められるので、いいこと尽くしです。そのため、発電所のタービンや航空機の部品など、金属疲労度が高くなってしまうような過酷な環境で使用される物にはブラスト加工が欠かせません。

デメリット

ブラストは金属の表面のサビや汚れを落とすことはできます。しかし、加工時にはどうしても表面に凹凸が残ってしまうので、鏡面のように磨き上げることはできません。姿が映るほどツルツルにしたい場合は、ブラストにも使用されている研磨材を用いた研削砥石や研磨布紙、研磨テープなどを部品に応じて使い分ける必要があります。

身近にあるブラストが行われたものとは?

身近にあるブラストが行われたものとは?

普段意識することは少ないかもしれませんが、塗装されている物や自動車の部品などブラスト加工された部品を使っている身近な製品は数多くあります。意外な例で言うと、グラスの内側の表面にブラスト加工が行われて白く曇ったビールグラスを見たことがある方はいらっしゃいませんか。

ビールグラスの内側の表面にブラストを行うと、ツルツルだったグラスが非常に細かいザラザラ面に変化します。こうすることで、きめ細かい泡が立ちやすいのと同時に泡が消えにくくなるので、いつもよりもクリーミーなビールの泡を楽しめるのです。

ブラストはビールの味を豊かにしてグラスの機能性を高めるだけでなく、実際よりもキンキンに冷えているかのように感じさせる見た目の美しさも生み出します。「美装ブラスト」として芸術品にも取り入れられつつある大注目の加工技術なので、今後私たちが目にする機会が増えていくのではないでしょうか。

まとめ

まとめ

ブラストは加工したい金属にとても細かい研磨材を吹き付けて行う加工処理技術のことで、金属部品のクリーニングやメッキ前処理、塗装前処理に役立っています。

ブラストを行うメリットは、細かい部品や奥まった場所にある部品など機械が入り込めない部分も自由自在に加工できるほか、表面を硬化して摩耗しにくい、腐食しにくい、割れにくいなど部品の機能性を高めることが挙げられます。一方で、デメリットは表面のサビや汚れを落とせても、鏡面のように磨き上げられないことです。

最近では「美装ブラスト」として芸術品にもブラストが活用される機会が増えてきたので、今後ブラストは注目を集めていくのではないでしょうか。

「株式会社ドイ」では、ブラストに欠かせないさまざまな研磨材を取り扱っています。大阪府南河内郡にある会社で、お客様からの信頼を第一に行動することを心がけています。ブラストや研磨のことならなんでもお気軽にお問い合わせください。皆様のお問い合わせをお待ちしております。