ブラストに使用される研磨材の種類はどれだけある?それぞれの特徴とは?

アルミナ系研磨剤の特徴とは?

ブラストに使用される研磨材には主に黒色炭化けい素研磨材、緑色炭化けい素研磨材、褐色アルミナ研磨材、白色アルミナ研磨材、ジルコニアアルミナ研磨材、ガーネットの6種類が使用されます。今回は、それぞれの特徴について詳しく解説します。

研磨材にはどれくらいの種類がある?

研磨材にはどれくらいの種類がある?

「ブラスト」とは加工している物の表面処理を行う方法のひとつで、研磨材を吹き付けて表面をなめらかにしたり角を取ったりする時に行います。どんなものでも吹き付ければ研磨材として活用できますが、その種類によって仕上がり具合は大きく変わります。

研磨材として優れた特徴を持つ素材は大きく分けると、「炭化けい質」「アルミナ質」があります。炭化けい質の研磨材には「黒色炭化けい素研磨材」「緑色炭化けい素研磨材」が、アルミナ質の研磨材には「褐色アルミナ研磨材」「白色アルミナ研磨材」「ジルコニアアルミナ研磨材」があります。また、その他に「ガーネット」が研磨材として使用されることがあります。これら6種類の研磨材の特徴をご紹介します。

黒色炭化けい素研磨材

黒色炭化けい素研磨材は、珪石や珪砂などといった酸化けい素質原料とコークスを2000度以上の高温の電気抵抗炉に入れて反応させて生成します。冷えて凝固した塊を粉砕して整粒、脱鉄したら完成です。

黒色炭化けい素研磨材は、全体的に黒色です。炭化けい素の純度が高いので、研削性に優れるのが特徴です。次に挙げる緑色炭化けい素研磨材より硬度は劣りますが、じん性においては黒色炭化けい素研磨材の方が優れていて、一般的なブラストだけでなく精密研磨にも活用できます。

緑色炭化けい素研磨材

緑色炭化けい素研磨材は、珪石や珪砂などといった酸化けい素質原料と炭素材を高温の電気抵抗炉に入れて反応させ生成します。冷えて凝固した塊を粉砕して整粒、脱鉄したら完成です。

緑色炭化けい素研磨材は、黒色炭化けい素研磨材よりも緑がかった黒色をしています。ダイヤモンドはこの世で一番高い硬度を持っていることで有名ですが、ダイヤモンドに次ぐ硬度を持っているのが緑化炭化けい素です。また、薬品等に触れても品質が変化しにくく、熱伝導率が良く高温にも耐えられるという性質があり、化学的に安定しているのも特徴のひとつです。そのため、どんな物質であっても優れた研削性や研磨性を発揮できるのが強みとなっています。

アルミナ系研磨材の特徴とは?

アルミナ系研磨剤の特徴とは?

ここからは、アルミナ系の研磨材3種類の特徴を詳しくご紹介していきます。

褐色アルミナ研磨材

褐色アルミナ研磨材は、アルミニウムの鉱石である「ボーキサイト」を主原料としています。まず、ボーキサイトを電気炉に入れて2000度に熱することで溶融精製を行い、不純物を還元して化学成分を調整します。冷えて凝固した塊を粉砕して粒の大きさを整え、脱鉄したら完成です。

褐色アルミナ研磨材は、その名の通り全体的に褐色を帯びています。Al2O3(酸化アルミニウム)の純度が90%以上となっていますが、微量の二酸化けい素や酸化鉄、酸化チタンが混じっているので、このような見た目なのです。酸化チタンが優れた破砕性に寄与していて、褐色アルミナ研磨材は人造研磨材の中ではもっとも代表的な研磨材だと言えます。

白色アルミナ研磨材

白色アルミナ研磨材は酸化アルミニウムの通称であるアルミナを電気炉に入れて溶融精製を行い、脱鉄して化学成分を調整します。冷えて凝固した塊を粉砕する時に、粒の形や大きさを調整して製造されるので、粒形と粒度分布が安定しているのが特徴です。

白色アルミナ研磨材は、全体的に美しい白色をしています。Al2O3(酸化アルミニウム)の純度が96%以上という高純度となっていて炭化けい素に次ぐ硬度があるため、褐色アルミナ研磨材よりもさらに高度な表面加工に向いています。

ジルコニアアルミナ研磨材

ジルコニアアルミナ研磨材はアルミナとジルコニア質原料を電気炉に入れて溶融しますが、精製は行いません。そして、急速凝固させたものを粉砕して整粒すれば完成です。

ジルコニアアルミナ研磨材は、一目見ただけだと黒色炭化けい素研磨材とよく似た黒色をしています。極微細結晶からできているのが特徴で、硬度もじん性も抜群です。サビ取りや表面の汚れ落としに行うサンドブラストにもぴったりです。

宝石系研磨材の特徴とは?

宝石系研磨剤の特徴とは?

最後に、宝石系の研磨材である「ガーネット」の特徴についても見ていきましょう。

ガーネット

ガーネットは宝石としても有名で、1月の誕生石として知られているのでご存知の方も多いのではないでしょうか。ガーネットはザクロ石とも呼ばれていますが、マグネシウムや鉄、マンガンなどを含むケイ酸塩鉱物のひとつです。

粉砕したガーネットは粒子の高度や形状が安定しているので、ジルコニアアルミナ研磨材と同様にサンドブラストに多用されます。

まとめ

まとめ

研磨材の種類は、ご紹介した黒色炭化けい素研磨材、緑色炭化けい素研磨材、褐色アルミナ研磨材、白色アルミナ研磨材、ジルコニアアルミナ研磨材、ガーネットの6つがよく活用される代表的なものです。それぞれの特徴を見極めて、用途に合わせた研磨材を使用しましょう。

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