表面を美しく装飾したり、塗装の前処理をしたりできるブラスト加工ですが、きれいに仕上げるためにはさまざまなことに注意する必要があります。今回はブラスト加工を依頼する際に知っておきたい注意点のほかに、実際に加工する際の注意点・ブラストを選ぶ際の注意点について詳しくご紹介します。
ブラストの加工を依頼する際の注意点
ブラスト加工を依頼する際の注意点としては、どのようなことがあげられるのでしょうか。ここでは事前に知っておきたい、さまざまなポイントについてご紹介します。
水や油に注意
水や油はブラスト加工に支障をきたします。とくによく使用されるサンドブラストの場合は、水や油がついていると研磨材が固まってしまい、加工できなくなってしまう可能性があるでしょう。たとえ拭き取ったり乾かしたりして加工しても、シミやあとが残ってしまう可能性もあります。水にぬれたり作業中に油が付着したりしないように注意しましょう。
サビの発生に注意
鉄でできたものをブラスト加工する場合は、サビが発生する可能性があります。これらはブラスト加工にあたり酸化被膜を除去することが原因です。サンドブラストを行なった後にビーズ加工をしても、同じようにサビが発生してしまう可能性があるため、加工後はできるだけ早く引き取りに行きましょう。
マスキングに注意
マスキングについても使用するテープに注意が必要です。紙のマスキングテープを使ってマスキングしているという場合は、テープがはがれたりボロボロになってしまったりする可能性があります。マスキングを行う際には、糸が入っているガムテープやビニールテープを利用しましょう。
ブラストを加工する際の注意点
ブラストを実際に加工する際の注意点としては、以下の3点があげられます。きれいな仕上がりを実現させるためにも、これらのことに気をつけてブラスト加工を行いましょう。
材料や方法をきちんと選ぶ必要がある
ブラスト加工を行うものの材質や仕上げたい雰囲気に合わせて、装置や打ちつける材料を適切に選ぶ必要があります。これらを間違えてしまうとステンレスの表面にサビが付着してしまったり、ブツブツと不規則な凹凸ができてしまったりする可能性があります。適切なブラスト加工を行うためには、知識と経験が必要です。
ソリや変形が起こる可能性がある
適切な順番で加工を行わなかった場合、加工したいものにソリや変形が起こってしまう可能性もあります。とくにまっすぐな板などは、一度曲がってしまうと再び元に戻せなくなってしまいます。きれいな仕上がりにするためには、設備の十分な調節が必要不可欠です。
残留物が残る可能性がある
ブラストは研磨材を打ちつけて加工するという仕組みになっています。その特徴から、打ちつけたものが当たった際に、小さな残留物として表面に残ってしまう可能性があるのです。電子部品などでは、これらの残留物が原因となり不具合を起こしてしまう場合もあり、細心の注意が必要です。
ブラストの選び方に関する注意点
上記でも説明したとおりきれいな仕上がりのためには、適切にブラストを選ぶことが必要不可欠となります。ブラスト加工を行う装置、また打ちつける素材を上手に選びましょう。
ブラスト加工の装置とそれぞれの注意点
ブラスト加工を行う装置としては、大きくわけて3種類あります。1つめは圧縮した空気を利用して吹きつけるエアーブラストです。作業効率がよく、サンドブラストなどのように工芸や彫刻品に使われていることも多くあります。一方で粉塵に関する問題があるので、周辺の環境に注意しながら行う必要があります。
2つめのウエットブラストは、水の力を利用したブラスト加工です。油で汚れた部品なども、洗浄しながらブラスト加工を行えます。粉塵が発生しにくいというメリットがあるものの、サビやすいという特徴があるので注意が必要です。
3つめはショットブラストです。投射機を回転させ遠心力を利用しながら打ちつける方法となります。作業効率に限界があるため、一度に多くのものを加工したいという場合には、計画的に利用する必要があるでしょう。
ブラストで打ちつける素材を選ぶ際の注意点
ブラストで打ちつける材料としては、さまざまなものがあります。たとえば装飾用にはガラスビーズやジルコニアビーズ、塗装のための前処理にはアルミナブラストや鉄・ステンレスがあげられます。また研磨のためにブラスト加工をする際には、ガラスビーズや黒色炭化ケイ素質を利用するのが一般的です。このように加工したいものの材質や目的に合わせて、素材を選びましょう。
まとめ
今回はブラストに関する注意点についてご紹介しました。ブラスト加工を依頼する際や実際に加工を行う際、そしてブラストの選ぶ際に注意しておきたいポイントについて、ご理解いただけたでしょうか。それぞれの特徴を知り、適切な方法でブラスト加工をすることで、満足のいく理想の仕上がりできるのです。
「株式会社ドイ」では、研磨材のもとになる研削材を取り扱っております。昭和35年に祖業以来、ブラスト加工業者や研磨材メーカー様から高い評価と信頼をいただいております。長年つちかった知識をいかして適切な材料のご提案をいたしますので、ぜひとも一度お気軽にご連絡ください。